二級建築士は小泉チルドレン

札幌での構造計算偽造の事件ですが、件の二級建築士は会見で、「信念に基づいた行動」だと繰り返していました。この「信念」の強調は何なのか。
昨今、日本の政治を評価する際のキーワードの一つが、「信念」である。同種のことばに「毅然とした」とか、「ぶれない」とか、「屈しない」とかそういうものがある。簡単に言えば、「強さ」への志向の表れだ。これは昨今のトレンドだ。たしかに、「弱い」よりも「強い」方がいいだろうと思うかもしれないが、10年ぐらい前は「よく話し合って」、「もっと議論を」という、協調路線のキーワードが頻出していた。それが、現在では、議論よりも決断というマッチョ路線に変更したという経緯である。
前置きはここまでとして、「信念」を持つことは良いことだと思うし、信念を貫くことはかっこいいことではあると思う。小泉総理の人気は、かたくなまでに信念に固執する姿勢によるところが多いだろう。
二級建築士はおそらく、昨今の「信念」(という語)の力を知っているのだろう。ということで、謝罪するのではなく、「信念」を持った行動であると訴える。これは小泉的な手法とはいえるかもしれないが、これはもうパロディの域に達している。信念があれば何をやってもいいというわけではない。よく考えれば、痴漢だとかロリコンだとかは、ものすごく強い信念を持っているように思える。
逮捕されたロリコンさんには、ぜひ「信念に基づく行動だった」とかいってみてもらいたい。