Freakonomics

先ほどBBCラジオを聴いていたら、Freakonomics という人気の本が紹介されて、著者がインタビューされていた。私はリスニング練習のためだったり、ただ単にいま向こうで流行ってる音楽が聞きたいというような理由から、BBCラジオはけっこう聞いている。普段はたいてい聞き流しているのが、今回はおもしろかったので久しぶりに真面目に耳を傾ける。
FreakonomicsというのはFreak(ヘンな、奇形)とEconomics(経済学)をくっつけた造語で、へんな経済学ということなのだが、あんまり経済学っぽくなく、おもしろい。
こんなようなことを書いてるらしい。

子供をガン(やテロ)で亡くすより、庭のスイミングプールの方が危ない。

確率的なリスクでいうと、後者の方が圧倒的に高いらしい。おもしろかったのは、著者がrisk(リスク)とfear(恐怖)というのを分けていて、恐怖というのは当然の感情であるけれど、確率的なリスクとの高さとは必ずしも結びつかないといっていた。これは、少し考えればわかることで、日本でいえば「地下鉄テロにおびえるのもいいけど、その前にちゃんと信号守れよ。交通事故の可能性のほうがよっぽど高いよ。」という感じだろう。
私としては、リスクと恐怖という問題では、恐怖の政治利用とかの方が関心があるのだが*1、そういうことは多分いってないのでしょうね。
また、

中絶が合法化された20年後に犯罪率が下がった。

これもデータがなくても考えればわかりそうなものだが、望まれもしないで生まれた子供の方が、将来に犯罪に走ることが多くても不思議じゃない。あと、いわゆるデキ系は、社会の下層に多いようなので、もともとお金のないところで、さらに生む予定なく貯えがない状態で子供ができれば、貧乏になるわけで、貧乏人は暴力犯罪を起こしやすいので、そうなるでしょう。

「名前」がその人の人生を決める。

これは人種の問題が絡んでいるらしい。黒人系の名前をつけるか、いわゆるアメリカ人の名前かで、社会的な成功の度合いが違うらしい。途中がちょっとよくわからなかったが、とりあえず結論としては、名前自体が重要というよりは、親の名前の付け方には、親の考え方が反映していて、そして同時に家庭環境も反映するから、名前とその後の人生には相関関係があるということらしい。たぶん、黒人としてのアイデンティティを守ろうとするか、アメリカ社会に同化しようとするのかというという態度が、社会的に成功するかどうかと関係しているのではないだろうか。こういうのは、日本でいえば、在日韓国人朝鮮人の問題もこの視点で切れるのかも。

麻薬の売人は母親と暮らす。

麻薬の売買はマクドナルドのようにフランチャイズ化しているらしく、上層部はたっぷり儲けるけれども、末端の売人は法で定められた最低賃金以下の収入で、いつ銃で撃ち殺されてもおかしくない高いリスクに身をさらしている。同じように、サッカーばっかりやってる子供も、一流選手になれる確立は明らかに低いので、高いリスクをもっている。これもリスクという観点、あるいは合理性に基づく経済学の観点では、説明がつかない。
なるほど。

今回のエントリーで何が重要なのかというと、またしても私は本を読んでいないということだ。読んでもいない本について、聞きかじりで、大胆な憶測を交えて、適当なことを書く。
いいことだと思います。

Freakonomics: A Rogue Economist Explores the Hidden Side of Everything

Freakonomics: A Rogue Economist Explores the Hidden Side of Everything

*1:テロや戦争の恐怖を煽り、世論を誘導することなど