お笑いブームとは何か?

ということが最近気になっている。
というのも、「お笑い」というものは、どんなときでもTV番組では主要な要素であり、「ブーム」とかではなく、常に需要があってしかるべきだと思うからだ。
振り返ってみると、「お笑いブーム」というのはいくつかあって、ビートたけし島田紳介を輩出した「漫才ブーム」が一番大きいのだろうけれども、最近では「ボキャブラ天国」や「笑う犬の生活」なども、ブームに入れていいのではと思う。
そう考えてみると、いわゆる「お笑いブーム」というのは、漫才やコントなど「あらかじめ準備された笑い」のブームであることがわかる。バラエティ番組を「即興芸」とすれば、ことばはよくないが「フォーマルな笑い」のブームである。
「即興芸」と「準備された笑い」に優劣をつけるのは、無意味だが、特徴としては「即興芸」のほうが量産可能である。漫才やコントは、5分弱の一つのネタを作るのに、かなりの時間を要する(のだろうと思う)。これはTVと媒体を考えると、けっこうつらいところで、いくらおもしろいネタでも何度も同じネタをやられたら困るが、すぐには新しいネタができない。なら、別の芸人にやらせればいいのだが、本当におもしろい芸人は一握り。そうすると量産がきかないということになる。
ということで、最近はお笑いブームの中からでてきた芸人にネタをさせるのではなく、バラエティ番組に使うことが増えてきた。そして、だいたいの場合はおもしろくない。ネタがおもしろくても、彼らが「即興芸」においても秀でているかは、別の話ですから。「とりあえず芸人を入れとけばおもしろくなるだろ」という期待を裏切る番組が続出する中、私は「なるほど、こうしてお笑いブームというものは終わって行くのか」と感慨深く眺めるのである。