交通マナーよりも番組制作マナーを

「交通マナー撮影、信号柱に無断でカメラ…TV制作会社」という記事。

・・・調べたところ、フジテレビ系列で今月8日に放送されたバラエティー番組「交通トラブル100連発 違反者に熱血芸能人が緊急直撃」の取材のため、制作会社スタッフが9月10日に設置。「大阪の交通マナーの悪さを検証する」として無人撮影していたと判明した。・・・
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051113-00000201-yom-soci

次回からは、「番組制作におけるマナーの悪さを検証する」として、番組制作の現場のあられもない姿を無人撮影してもらえればと思います。


それにしても、最近はこういう番組が増えましたよね。こういう番組というのは、信号無視や踏切の無視、自転車の駐輪などの現場に、リポーターが正義の人ぶって突撃するって番組(のコーナー)のことですけど。
こういうのはよく言えば、庶民の日常によくみられる身近な問題を取り上げているともいえますが、何か文句を言いやすいところに突撃してる気もしなくもない。だって、突撃されるのは、ちょっとマナーの悪い普通の人なんですから、反撃にあう可能性が低い。怖いお兄さんにケチをつけるのとは訳がちがう。しかも、開かずの踏み切りとかは、毎日みんなやってるような状況なら、慣れれば誰でもやるんじゃないの?とか、思わないでもない。小さな悪に偉そうな顔して説教するのもどうかと思う。
夜の歌舞伎町の違法風俗店などの裏世界や政治家など権力者の世界に突撃するのなら、正義漢ぶっても許せるけれども、一般人相手なら、リポーターも思慮分別のある立派な大人でしょうから、分をわきまえて、「口うるさい小姑」的な態度で突撃してほしい。


私がなぜ、この手の番組を批判するかというと、「叩きやすいところを叩く」というのが昨今の日本の風潮と呼応しているのではないかと思うからです。中国、韓国のような弱くて叩きやすいところを叩いてすっきりする。たいして強くないから安心して叩ける。で、アメリカのようなところは、突撃すると何されるかわかんないので、見てみるふりをする。そのような風潮とTV番組作りがシンクロしているのではないか、と口うるさい小姑のように批判してみます。