詐称疑惑

切込隊長こと山本一郎氏のブログが再炎上している。

<まとめ by jirosan>
山本氏はもともと2ちゃんねる運営に携わり、2ちゃんねるを離れた後もいわゆる「アルファ・ブロガー」としてネットのカリスマであった。彼は資産百億円をもつ金持ちかつ投資家であるとされており、そのような経歴をもつ人間として投資についての著書などを出している。だが、一時からその経歴がウソなのではないかという疑惑があがり、ブログが炎上。ネットの匿名性を利用し、自作自演でそのウソの経歴を作り上げたのではないかという疑惑がおこった。そのとき、山本氏は資産はウソではないとブログに回答するも、曖昧な回答の仕方と明確な証拠がないために、疑惑は解消されず、批判する書き込みがブログに書き込まれ続ける。その後、山本氏は沈黙を守るも、先日ついに氏のブログや2ちゃんねるで誹謗中傷した人とまとめサイトを作った人を告訴すると発表。これが再炎上を引き起こす。
<参考>
2ちゃんねる投資版からの大切なお知らせです」(http://sasyougiwak.web.fc2.com/)
「キャッチミーイフユーキャン(まとめサイト)」(http://blog.goo.ne.jp/catchme_2005/

実は私は以前からこの詐称疑惑には大きな関心を持っていた。だって、実際にネットのカリスマが偽者だったとしたら、これは日本のネット文化における一大事件ですよ。ネットを語るときに常に出てくるキーワードが「匿名性」なわけですが、匿名性を利用してカリスマとなったとなったとしたら、映画化したいくらいの物語です。ただ、映画化しても、自宅の複数のパソコンからあくせく掲示板に書き込む姿は絵にならないかもしれないので、映画化は諦めるとしても、「日本インターネット文化史」的なネット文化の歴史を書けといわれたら、一章を丸々割いてもよい事件だと思う。
人文系の人が多いとされているはてなではご存知の方が多いのではないかと思いますが、先のクリスマスには山本氏は東浩紀氏や北田暁大氏とともにトークセッションに参加(宮台真司氏もフロアから参加)しており、立派な文化人としてカテゴライズできるところまで来ている。北田さんなんかには、ネットについて語るなら、山本氏の疑惑について語るべきなのではないかと思ってしまう。故・種村季弘氏をみならい『詐欺師の楽園』的な立場からネット文化を見るべきではないかなどと。まあ、大人として直に「あんんたウソついてるんですか?」ときけないのはわかっているし、生きてる人を相手にそんなことはなかなかいえませんが、もし疑惑が本当だとわかれば、大きなスキャンダルなんですから、なんとかなりませんかねという感じです。
ともかく、この疑惑に関しては、長らくはっきりとした答えが出ていないので、私としては実際に告訴が行われ、その過程で白か黒かが明らかになってほしいと願っています。一応私の立場というか気持ちは、詐称であった方がおもしろいというものです。この方と同じような気持ちです(http://d.hatena.ne.jp/mikill/20050421/p1)。だって、本当の金持ちがネットのカリスマになっても何もおもしろくないですから。ネットとは、貧乏人が金持ちになり、ニートが偉そうなことをいい、ブスがアイドル気取りになる文化であってほしい(のか?)